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紙想う、書店
紙の文化に再び火が燈ることを目指し、
書籍と紙ものを取り扱う書店を開店いたしました。
紙という素材が持つ温かみのある透明感や質感、
受け継がれてきた紙の文化をお楽しみ下さい。
和菓子と言の葉 デザイナーが紡ぐ四季の物語
¥1,870
藤原 夕貴 著
光文社 刊
登場する和菓子は、言葉が持つ意味はもちろん、感情や温度まで詰め込まれた逸品です。
和菓子デザイナー・藤原夕貴さんが、「心に留めておきたい言葉」を選び、
そこに和菓子というかたちで命を吹き込んでいます。
まるで、見えない感情や温度が和菓子の姿を借りて目の前に現れたような不思議な魅力があります。
たとえば──
春には「ほころび」。花開く寸前のやさしい桜色の練切。
夏には「翠雨(すいう)」。青葉に降り注ぐ命の雨を、梅酒羹と青梅餡で。
秋には「錦秋(きんしゅう)」。錦を織るような柿餡の練切。
冬には「銀嶺(ぎんれい)」。雪に包まれた山を、薯蕷(とろろ)練切ときんかん餡で表現。
和菓子の名前とその姿を重ねて眺めると、作者の想いや世界観が立ち上がってくるようです。
さらに、和菓子のレシピや器について、撮影の工夫、デザインのプロセスなども紹介されます。
実際に和菓子が生まれる様子をアイディア出しのメモから紹介してくださるので、
言葉が実態を持つ瞬間に立ち会えるような気持になります。
全てのページが優しい彩りに包まれ、ぱらぱらとページをめくるだけでも穏やかな気持ちを取り戻せるような1冊です。